「くっ、面白い追い払い方をするな」
「お騒がせして申し訳ありません。お礼をしたいのですが——」
「ああ、今は時間がないんだ。でも、そうだな。君の制服はこの国の王立学院のものか?」
「はい、ハーミリア・マルグレンと申します。今はキャンピングスクールでこちらに来ております」
「では……」
赤髪の男性はわたくしの手をすくい上げ、手の甲にそっと唇を落とした。
「次に会った時にお礼をしてくれるか?」
そう言って、わたくしの前から立ち去った。
なんとなく手の甲が気持ち悪くて制服で拭いてしまったけど、本人はもういないから問題ないだろう。これがライル様だったら絶対に手を洗わずに保護するところだ。
はあ、ライル様が恋しい……。
「ハーミリアさん、どうされましたの?」
「シルビア様、申し訳ありません。さあ、散歩の続きをしましょう」
その後は何事もなく、キャンピングスクールは楽しく終わった。



