とある事情で無言になったら、超絶クールな婚約者様が激甘溺愛モードになりました。


「ごきげんよう、アグネス様、ジルベルタ様、ヒルダ様。こちらの方は風に飛ばされたわたくしの帽子を拾っていただいただけですわ。それにシルビア様も、わたくしが無理やり海にお誘いしましたの」
「あ、ああ、そうなの?」
「だからなによ」
「いくらなんでも、みっともないわ」

 スウッと目を細めて冷徹な視線を投げつける。わたくしの雰囲気が変わったのを察知して、ご令嬢たちは怯んだ様子だ。

「わたくし、恩人や友人を貶されるのは許せませんの。それよりも随分と想像力が豊かなのですね。ほんのひと言ふた言話しただけの男女がいい仲だと勘違いされるなんて。もしかしてご自身がそうだから勘違いされたのかしら?」
「なっ、なんですって!」
「侮辱するつもり!?」
「いいえ、わたくしはライル様一筋ですから、そのような発想すらありませんでたわ。皆様の想像力が豊かで羨ましいのです。よかったらこの後お茶でも飲みながら聞かせていただけませんか?」
「け、結構ですわ!!」

 わたくしの言葉でカッと頬を染めて、ご令嬢たちは逃げるように去っていった。