燃えるような赤髪に琥珀色の瞳で、まるでライル様と正反対の印象だ。すらっとした長身だけど、剣で鍛えているのか体つきはがっちりとしていた。
「……君の帽子?」
「はい、ありがとうございます。風で飛ばされてしまって」
「ああ、ここはたまに突風が吹き付けるからな」
そう言って帽子を手渡してくれて、爽やかな笑顔を浮かべる。
これは女性に人気のありそうな方ね。わたくしはライル様がいるからまったく興味ないけれど。
そんな風に思っていたのに、耳に届いたのはいつもの陰口だ。
「あら、あの方……ライオネル様の婚約者なのに、違う男性と親しげにしてるなんてありえないわ」
「まあ、なんて身持ちの悪い方なの!? シルビア様もあの様なはしたない格好をして……さすが類友ね」
「そうよねえ、あんなアバズレがライオネル様の婚約者だったなんて。シルビア様もあの方に感化されたから恥ずかしくないのかしら?」
わたくしが悪く言われるだけならなんてことはない。でも友人を貶されるのは我慢ならない。わたくしは優雅に微笑んで、女生徒たちに向き直った。



