「ねえ、ハーミリアさん、私も波打ち際で戯れたいのですけど、はしたないかしら……?」
「そうですね、侍女がいたら小言を言われるでしょうけど、今はおりませんわ」
「あら、ハーミリアさん友は友でも、悪友ね」
「ふふ、シルビア様の友人なら、悪友でも光栄ですわ」
ふたりで笑い合って、靴を脱いでハイソックスを詰め込む。砂浜の感触に驚いたシルビア様の手を引いて、押し寄せる波に思っ切り足を踏み入れた。
「きゃあっ! 冷たいですわっ!」
「あはっ、シルビア様、もう少し海へ入りましょう」
「ええ、でも濡れてしまいますわ」
「すぐに乾くから問題ありませんわ」
そんな風にぐいぐいとシルビア様をリードしていると、突風に煽られてわたくしの帽子が砂浜の方へと飛んでいってしまった。
「いけない、帽子が飛ばされてしまったわ。シルビア様、少し待っていてくださいますか?」
「ええ、もちろんよ」
濡れた足のまま急いで帽子の元へ向かうと、わたくしの帽子に手を伸ばす男性がいた。



