殿下が在籍している二学年上のクラスの扉を、なんのためらいもなく勢いよく開いた。
先生も生徒たちも驚きポカンとしている。普段なら絶対にこんなことはしないが、今回は緊急事態だから遠慮はしない。僕は殿下に視線を向けて氷のような微笑みを浮かべた。
「授業の邪魔をして申し訳ございません。殿下、至急お話ししたいことがあります」
それだけで僕の怒りが尋常でないことに気付いた殿下は、慌てて教室から飛び出した。廊下を歩きながら、焦った様子で殿下が声をかけてくる。
「ライオネル、どうした? いったいなにがあった?」
「ここではお話しできません。殿下たちについている影も一時的に離れていただきたい」
「……余程のことだな。わかった」
完全に人払いしてくれた殿下に万が一のことがあってはいけないので、王族だけが使える貴賓室に遮音と最上クラスの防御結界を張る。殿下の向かいのソファーに腰掛けて、まずは今朝のことを簡潔に話した。



