「そうですか、ならばその時は僕が即刻回収に向かいましょう」
「ふふ、それは難しいと思うわ。だってこの魔道具は何千個とあるのですもの。危険な山だけでなく街中にばら撒いても余るわね」
「だが、そんなことをすれば多くの民に被害が出てしまいます。それは王家として望まないことではないのですか?」
効果はないだろうが言わずにはいられない。そもそも民を大切に思っていれば、禁忌の魔道具をこんな脅しに使わないだろう。
「ライオネル様が私の婚約者になれば、民に被害が出ることはございませんわ」
ローズ嬢とテオフィルは沈黙したままで、動く気配なはい。マリアン様は腕を組んで、僕の返答を余裕たっぷりで待っている。
僕の愛しいリア。彼女の家族や領地は僕にとっても大切な存在だ。なによりも無辜の民が、こんな理由で犠牲になるなんてあってはならない。
遠くで授業開始の鐘がなっている。
リアをひとりで教室に行かせてしまった。寂しい思いをしていないだろうか? どうすればこの状況を打破できる?
どうすれば、リアのそばにいることができる?



