キッチンから母の声がした。
「星絆ー!次こそは絶対に上位に入りなさいよ。」
私は頭の中に?????が浮かび上がり、
嫌な予感がよぎった。
「上位ってなんのこと?」
「あらー言っててなかったかしら?今日の模試、申し込んできたから絶対上位入って来なさいよ。ただでさえ、星絆はバカなんだからたくさん模試受けて上位入らないと!お母さんあなたのためを思ってもうしこんたのよ!?もちろん行くわよね!」
いつもなら、「あなたのためを思って」ってただのお母さんの自己満足じゃんとか、「バカ」ってそんな頭悪くないし、これでも努力してるのに💢ってイライラしてくるのに今日は全然イライラしない…
星宮先輩と会えるの楽しみにしてたのに…
という思いで私の心は埋め尽くされていた。
星宮先輩は初めて人と会うことが楽しみに思えた人だったのに。人が苦手な私には正直まだ会うのが怖いし、学校でもSNSで会った人と会うのはダメだって言われることだし、危険だってわかってるからこそ余計怖い。でも唯一会いたいと思えた人だから会いたかった。多分、迷惑かけることもたくさんあるけど、星宮先輩なら優しく受け入れてくれるかな?