もっと求めて、欲しがって、お嬢様。





「ちから入れすぎなのかしら……、」



そのとき、エマは上手におにぎりを握っていて。

私は初めてだったから仕方ないとしても、エマにできて私にできないなんておかしい。


……というのは、言い訳。


碇が私の不恰好なおにぎりを“美味しい”と言ってくれたことが嬉しくて。

せっかくそう言ってくれるなら、もっと上手なものを作ってあげたい気持ちに駆られて。


だからこうして練習をしている今。



「───よし…、今度はさっきより形になったかな、」



碇がまだドアの前で聞いているとは知らずに、私はひとりで試行錯誤していた。


お皿の上には完璧とは言えないおにぎりが4つ。

これは明日の朝、碇の朝食に出してあげようと思っていた。



「…でも…、こんなの貰っても嬉しくないわよね、」



昼間つくったおにぎりと対して変わらない。

自分ではうまく握れたと思ったけれど、客観的に見ればまだまだ練習が必要だ。


あげようか、やっぱりやめようか、作り終わってから冷静に悩んでしまった。