「ハヤセ美味しい…?あのね、具材は理沙と一緒に選んだのっ」
「この組み合わせは想像以上でした。とても美味しいです。なあ、碇」
「はい。なんかもう…いろいろ考えて作ってくださったんだなって、それだけで泣けてきます」
「えへへっ、やったね理沙っ!」
ひとつは、枝豆としらすに梅。
もうひとつは、鮭とチーズにおかか。
一風変わったものに挑戦した結果は成功してくれたみたいだ。
「……ふふっ、やった、」
思わずこぼれてしまった。
はしゃぐエマと噴水の音で掻き消してくれたはず。
でも、隣に座った執事だけは私の顔を見つめていたことなんて。
「…早瀬さん、トータルで手作りの嬉しさ半端じゃないです」
そしてまたもやつぶやいた碇に「だろ」と、エマの隣から聞こえてきた。
トータル…?
トータルって、碇ってばなんのことを言っているの。
そして今までと少し変わった真面目なトーンで、私たちが並ぶベンチに届いてくる。
「碇、…俺の立場になれば、それがこの先も約束されるぞ」
碇が目を開いた早瀬さんの言葉は。
“Sランク”という立場を意味しているものではないことだけは分かった───。



