「すぐにご用意いたします、少々お待ち下さい。行くぞ碇」
「はい…!」
「あっ、ハヤセ待って!碇もっ!!」
エマの呼び止めに、ピタリと動きが止まった執事たち。
お弁当はまだ食べかけ。
それにおにぎりには何も手をつけてもらっていない。
「じゃあ一緒に食べようよっ!ハヤセは私と分けっこ、碇は理沙と!」
「ですが、」
「いーのっ!お嬢様の命令だよハヤセ!聞けないの?ふーん?あっそ?へえ~?」
「…ふっ、かしこまりました」
執事と一緒に食べるなんて初めてだった。
私もうなずいたことで碇も了承して、再び噴水場前のベンチに腰かける。
「理沙お嬢様…?」
「っ、碇はおかずを食べて。私はおにぎりだけでいいわ」
「えっ、私も理沙お嬢様が握ってくださったおにぎりも食べたいです…!」
「いいからっ!!」
背中に隠したそれを、碇に見られないように必死だった。
そんな私を見つけた友達はいつもの調子で言ってくる。
「理沙っ!碇はきっとそんなの気にしないよ!」
「よ、余計なこと言わないでバカエマ…!」



