ちょうどなタイミングで鳴ったチャイムは、お昼休みを表してくれるもの。
そのまま4人で向かった場所は中庭にある噴水場。
季節は冬だったけれど、ぽかぽかとした日差しのなかでお弁当を広げた。
「これねっ、理沙の自信作!それでこれが理沙の力作で、これも理沙!」
「……エマお嬢様が作られたものは、」
「えっ、あっ、おにぎり握ったよ!それからおにぎりと…、えーっと、…おにぎり、」
「アスパラベーコンを巻いて卵焼きを切ったのはバカエマよ」
「そうっ!ハヤセ!これわたしが精いっぱい作ったの!」
私の助け船に、早瀬さんの瞳は熱を含んだものに変わった。
それだけで彼がエマのことをどれだけ大切に想っているかが目に見えてわかる。
「碇、なにをしてるの」
「写真です…!食べるのが勿体なくて…!」
目で保存する早瀬さんとは反対に、カシャカシャと保存する碇。
ここまで喜んでもらえることは予測できていたとしても、実際前にするとやっぱり嬉しくもあって。
「冷めちゃうじゃない。またいつでも作ってあげるから食べなさいよ」
「えっ!またいつでも作ってくださるんですか…!?」



