もっと求めて、欲しがって、お嬢様。





ピコンっと思いついたように、瞳を輝かせて言ってくる。



「私も理沙お嬢様とのお写真、もっとたくさん欲しいですから!」



すぐに碇はジャケットのポケットからスマートフォンを取り出した。


この寮で執事と写るものは初めてかもしれない。

テンションが上がってしまった碇は、私の返事を聞くことなくカメラモードをインカメに。



「笑ってくださいっ、理沙お嬢様!」


「……そんなの言われるほうが笑えなくなるわよ、」


「ははっ、それもそうですね!」



コツンと、肩がくっついた。
サラッと、碇の柔らかい黒髪が触れた。

そしてまた、必死すぎる彼はバレバレだということに気づいていない。


私の肩に手を回そうとして戻してを繰り返す動き。

だけど画面にはバッチリと映ってしまっているわけで。



「では撮ります…!はいっ、チーズ、」


「碇、どうしてみんなチーズって言うの?」


「えっ、」



カシャッ!!

……なんとも微妙なタイミングで鳴ってしまったシャッター音。