「でも、あなたが卒業するまで待ちます。それまでそういったことは一切しません」
「え…」
「そこは弁(わきま)えるつもりですから。大人として」
なに、どうして。
どうして私は落ち込んでるのよ…。
まるで期待を裏切られたような気持ちになっている自分。
「ではそろそろ教室に戻りま───、…理沙お嬢様…?」
「っ…、」
そっと離された身体を引き留めるように、思わず掴んでしまっていた。
卒業するまでしないって……。
それは彼が私に意地悪をするつもりで試しているものかとも考えたけれど、そうじゃない真面目な空気。
「…嫌よ…、そんなの、」
「え…?」
「ま、待たないでして……、…私も、したいわ…」
「………え。…えっ、……え…!?」
それはそれはDランクらしい反応が返ってくる。
お嬢様にここまで言わせるなんて、どうかしてるわ碇。
「困ります理沙お嬢様…、そうやって俺を弄ぶのはやめてください…!」
「もっ、もてあそんでなんかないわ…!!
……本気、よ、」
「…本当に…いいんですか…?理沙お嬢様が想像するより……たぶん、激しいといいますか…、すごいですよ、」