もっと求めて、欲しがって、お嬢様。





聞こえていたの…?
こんなに人がたくさんいるのに……?

だったらどうしてさっきは来てくれなかったのよバカ。



「すみません、先ほどは早瀬さんに止められたんです」


「早瀬さんに…?」


「はい。理由は……あまり言いたくないので秘密ですけど、」



なによそれ。
そう言われると逆に気になるじゃない。

そんな早瀬さんといえば、私たちから少し離れた場所でエマを守りに入っていた。



「理沙お嬢様」



碇は静かに私の名前を呼んでくる。



「私はあなたの指示なら、なんだとしても聞きます」



またそれだ。

ズルいから言わないで欲しいのに…。



「でも、素直に言えないところがあなたの可愛らしいところでもありますから」


「え…、」


「ですので、理沙お嬢様はどうしたいですか?」



血だらけの碇は振り返った。

そんなことより早く手当てをしなくちゃと言いかけても、これがいちばん大事なことだと言っては曲げない。



「理沙…!僕よりこんな執事を選ぶのか…!?」


「っ、」