もっと求めて、欲しがって、お嬢様。





「……あの、俺はCランクなのですが」


「知ってるよ」



Bランクにすらなれない男だというのに。

いっきにふたつ飛ばして最高ランク…?
話が読めなくなってきては頭が混乱だ。



「どうやったとしても…俺はあなたのようにスマートにはなれないですよ、」


「それも知ってる」


「………」



上げられて落とされた。

単なる分かりにくい冗談かと思ったが、俺にそんなことを言ってくるような男じゃないから、早瀬さんは。



「だけど、執事のランクは執事としての仕事ができれば上がるわけじゃない」


「…そう、なんですか…?」


「簡単な話、実力か気持ちのどちらかだ。もちろん最低限の実践力は必要になるが、
そこに本物の気持ちがあるか無いかで実力も変わってくるんだよ。…持ちつ持たれつってやつだな」



佐野様がもし俺の大切なお嬢様を追い詰めようものなら、俺は守ると誓った。

これだけは言葉だけじゃない。


たとえ泳げなかったとしても、溺れて自分が死んだとしても、理沙お嬢様だけは命に代えてもお守りする。


そうしたことでいつか自分の立場を失ったとしても。



「そもそも、執事が抱いてはいけない感情を出してる時点で肝が据わってる証拠だろ」