『理沙お嬢様…すみません…。クラスメイトの執事のなかで、たぶん私がいちばんランクが低い…です、』
『だからなに?』
『え…、えっと、ですので、』
『私が堂々としていればそんなもの関係ないわ。だからあなたは何も心配せず同じ顔をして…私の隣にいればいいのよ、碇』
それでいてとても強く、美しい女性。
俺がずっと傍にいたいと誓った、たったひとりのお嬢様。
こんな俺を認めてくれた、たったひとりのお嬢様。
「俺は…、理沙お嬢様の笑顔が大好きなんです」
目線の先、シンプルなドレスに身を包んだお嬢様は初めてできたお友達と笑い合っていた。
その髪型を貫いていることだって、俺は嬉しくてたまらなかった。
舞踏会が始まる前、エマお嬢様に“かわいい”と褒められたときの表情。
それを見た瞬間、俺は彼女のことが大好きなんだと再確認させられた。
「…碇。お前いま、自分がどんな顔してるか知ってるか?」
「……はい、たぶん、」
「───…ただの男でしかねえな」



