その姿が、昔の彼女と重なって思わず頷いてしまった。



僕と花咲音は、高校二年生から付き合いだした。



花咲音と話すようになったのは、たしか席が隣同士だったから。



…それほどまでに記憶が曖昧で、薄っぺらい気持ちのまま付き合いだしたんだ。



花咲音は校内でも美人と有名で、男子生徒から人気だった。



自分で言うのもなんだけど、僕も容姿が整ってるとよく言われ、「お似合いの美男美女カップル」と周りから言われていた気もする。



告白は花咲音の方から。



僕はそれにただ首を縦に振っただけ。



受け入れた理由は特になく、話していると楽しいから程度のものだった。