飽きられても仕方の無いことをした。



嫌われたかもしれない…。



…いや、それでいいのかも。



だって私は、先生のことなんてこれっぽっちも好きじゃないし。



そばにいて欲しいとか、付き合いたいとか、独り占めしたいとか…そんなこと、微塵も思ってない。


「っ…思って、ないのにっ…」



さっきからずっと止まらない大粒の涙が頬に伝う。



とにかく走って走って、多分先生も追ってきてないことを確認して駅前の隅っこで一旦立ち止まった。



天邪鬼なんて言葉、誰が考えたんだろう。



こんな言葉がなければ、こういう人が他にもいるから大丈夫なんて安心しなかったのに。