私の担任教師は、どこまでもお節介だ。



「村上さん、今日も一人でお昼?」



「……ほっといて」



図星を指されて、きっと睨む。



すると、ハハッと笑ってみせた彼はスーツのポケットからひとつの小さな鍵を取り出した。



「ん、先行ってて。すぐ行くから」



「……わかった」



差し出された鍵を受け取って、ある教室へと向かう。



やってきたのは、人気がない特別棟2階の奥の部屋。



もらった鍵で部屋を開けると、2人がけのソファと机、専門書がいっぱい詰まった古びた本棚が目に入る。



…ここ、いつ来ても落ち着く。



一緒に持ってきたお弁当を机に置いてソファに座り彼を待つ。