怜悧な外科医の愛は、激甘につき。~でも私、あなたにフラれましたよね?~

フローリングに視線をやると、相良さんと私の服や下着が散乱している。いかに余裕がなくて性急に事に及んだのかをまざまざと見せつけられているみたいで一気に頬に熱を持った。

――大丈夫、優しくするから。
――もっとお前の可愛い声聞かせてくれ。
――あぁ、お前の中、すごくいいな。

冷静になると、素肌を重ね求めあったときの相良さんの言葉が勝手に脳内再生される。私はというと、彼を受け入れるのに精いっぱいで断片的にしか覚えてない。

「身体、大丈夫か?」

「だ、大丈夫です!」

そんなふうに改めて言われると恥ずかしすぎて、一気に熱を持った顔を布団にボスッと埋めた。

「いまさら隠すことないだろ、もう真希の全部を見たんだから。すごく可愛かった」

「もう、そうやって面白がってるんですよね?」

「半分な」

クスクス笑いながら相良さんがスッと手を伸ばし、私の髪の毛を優しく梳く。

「なぁ、いきなりこんなこと言われても困るかもしれないが……」

「え?」

「ここで俺と一緒に住まないか?」

相良さんと一夜をともにした現実を飲み込むのもままならないのに、いきなりなことを言われてパッと顔を上げる。

「もう俺たち恋人同士だろ? それに食事を作ってくれるって言っても、わざわざまた家に帰らなきゃならないのは面倒じゃないか?」

「そんな、面倒だなんて思ったことなんかないです。でも……」