怜悧な外科医の愛は、激甘につき。~でも私、あなたにフラれましたよね?~

「真希と再会する前だったから、自分の伝手で親父さんが今どこの病院で入院しているか調べてみたんだ。転院している可能性もあったからな」

それでわざわざ忙しい時間を縫って、先日、千田記念病院まで足を運んで父に会いに行ってくれたという。

「そうだったんですか……すみません、ありがとうございました。父も嬉しかったと思います」

普段飲まないけれど今夜はお酒が進み、ほろ酔い気分になると相良さんといる緊張もいくぶん紛れるような気がした。

「おのだ屋がなくなって更地になっていたの見たら流石にショックだった。女将さんもお前も、どこに引っ越したかわからなかったし、連絡しようにもできなくて……だからお前がスッ転んであの病院に搬送されたときは柄にもなく運命だって思った」

チラッと私に目を合わせはにかみながら笑う。そして相良さんは照れ隠しするように楊枝でつくねを指してパクッと口に放り込んだ。

運命か……。

私と再会できて相良さんもよかったと思ってたりするの?

相良さんの言う“運命”とはどんなものだろう。そんなふうに笑顔を向けられたら、都合よく考えてしまう。