「仕事が終わったら地下駐車場の入口で待っていてくれ」
「わかりました。楽しみにしててくださいね」
ああ、ありがとう。と言いつつ相良さんは目元をほころばせた。言葉以上に嬉しそうなその顔を見たらなんだかたまらなくなってドキドキしてきた。胸の内側で何かが揺れてゆらゆらと形のない、温かな湯のようなものが流れて溢れてくるような感じだ。
そして、その感覚には覚えがある。
や、やだな……相良さんが好きだったなんて、もう昔の話じゃない。
十年も経ってるんだから。
彼女だっているかもしれなし、もしかしたら結婚だってしているかもしれない。
相良さんがメルディーを後にして厨房に戻っても、私は胸の底で疼きだそうとしている感情に気づかないふりをするのだった――。
「わかりました。楽しみにしててくださいね」
ああ、ありがとう。と言いつつ相良さんは目元をほころばせた。言葉以上に嬉しそうなその顔を見たらなんだかたまらなくなってドキドキしてきた。胸の内側で何かが揺れてゆらゆらと形のない、温かな湯のようなものが流れて溢れてくるような感じだ。
そして、その感覚には覚えがある。
や、やだな……相良さんが好きだったなんて、もう昔の話じゃない。
十年も経ってるんだから。
彼女だっているかもしれなし、もしかしたら結婚だってしているかもしれない。
相良さんがメルディーを後にして厨房に戻っても、私は胸の底で疼きだそうとしている感情に気づかないふりをするのだった――。



