「真希ちゃん、珍しいお客さんが来てるよ。ほら、あそこ」
食材の在庫確認をしているとき、後ろから義さんに軽く肩を叩かれて指差す方向へ視線を向けると、思わず手にしていたピーマンが落ちそうになった。
「相良さん!?」
メルディーはオープンキッチンになっていて、ホールの様子が窺える。普段は白衣を羽織っているけれど、今は休憩時間のようでワイシャツ姿だ。そして気だるい様子でネクタイのノットを緩めている。
「あの、ちょっと持ち場を離れていいですか? 相良さんに色々お世話になったのでお礼を言いたくて」
「ああ、いいよ」
義さんは何も聞かずに快く承諾してくれて、私は足早に相良さんの座る席へ向かった。
「相良さん」
「お疲れ。ふぅん、シェフコート姿、なかなか似合ってるじゃないか、ちゃんと夢を叶えたんだな」
いかにもシェフといった私の出で立ちに、相良さんは見定めるように視線を上下に動かして眺めた。
食材の在庫確認をしているとき、後ろから義さんに軽く肩を叩かれて指差す方向へ視線を向けると、思わず手にしていたピーマンが落ちそうになった。
「相良さん!?」
メルディーはオープンキッチンになっていて、ホールの様子が窺える。普段は白衣を羽織っているけれど、今は休憩時間のようでワイシャツ姿だ。そして気だるい様子でネクタイのノットを緩めている。
「あの、ちょっと持ち場を離れていいですか? 相良さんに色々お世話になったのでお礼を言いたくて」
「ああ、いいよ」
義さんは何も聞かずに快く承諾してくれて、私は足早に相良さんの座る席へ向かった。
「相良さん」
「お疲れ。ふぅん、シェフコート姿、なかなか似合ってるじゃないか、ちゃんと夢を叶えたんだな」
いかにもシェフといった私の出で立ちに、相良さんは見定めるように視線を上下に動かして眺めた。



