怜悧な外科医の愛は、激甘につき。~でも私、あなたにフラれましたよね?~

この病院の職員だし給料から天引きしてもらうか、カードを使うかどうしようか迷っていると。

「申し訳ありません。こちらの手違いでした。支払いのほうはもうお済のようですね」

「……へ?」

思ってもみなかったことを言われて目が点になる。

どういうこと?

支払ったなんて覚えもないし、まさか母が私の入院のことを知って会計をしてくれた?なんてことも一瞬頭に過ったけれど、それならまず電話をかけてくるはずだ。

「相良先生から先ほど会計があったようです。すみません。その請求書、破棄していただいても構いませんよ」

「え? 相良さんが?」

どうして相良さんが入院費の支払いを?

目を瞬かせてカウンターに前のめりになる私を見て、女性職員が怪訝な顔を浮かべている。

「あの、相良さんにすぐ連絡取れますか?」

「ただいまオペに入っているのでしばらくは……あの、相良先生のお知り合いの方でしょうか?」