怜悧な外科医の愛は、激甘につき。~でも私、あなたにフラれましたよね?~

退院が決まって私は早速、会計を済ませるために一階の受付カウンターへ向かった。そこまではよかったのだけれど。

「えっ? こ、これって、一日の入院費……ですよね?」

「はい。検査費用も込みでそれが合計金額になります」

愛想よくニコニコ笑顔を浮かべる受付職員の前で、私はあまりにも想定外な高額費用に顔面蒼白になっていた。

うちの病院ってこんなに高かったんだ。どうしよう、持ち合わせがないよ……。

父の入院費を給料から仕送りをしているため、無駄遣いしないようにと普段から財布にお金をあまり入れていないのが仇となった。その請求金額は今すぐ財布から出せる金額ではない。

「あ、ちょっとお待ちください」

女性職員がカタカタとなにやらパソコンで確認し始める。