勢いでそう言ったものの、いざ本人を目の前にしたら急に気恥ずかしさがこみあげてきて口ごもる。
夢が叶う日がやってくるなんてあるんだろうかとずっと思っていた。でも、彼が私の夢を叶えてくれるんだと思うと自然と頬が緩む。

「そこまで言いかけてるなら教えてくれたっていいだろ? ほら」

もったいぶる私のお腹を優しくくすぐって聖一さんが催促してくる。

「あはは、くすぐったい! わかりました! 降参します」

私の愛情がたっぷり詰まった手料理を前に、聖一さんが頬をほころばせて嬉しそうに笑っている姿が目に浮かぶ。

――大好きな人と幸せな家庭を築き、毎日手料理を作ってあげること。

ぬくぬくと温かい彼の腕の中、あり余る愛をぶつけられる幸福に身をよじらせて私は彼の耳元でそう囁いた――。