怜悧な外科医の愛は、激甘につき。~でも私、あなたにフラれましたよね?~

まだ膨らんでもいないけれど、私のここに聖一さんとの子がいる。そんなふうにお腹をさすりながらの赤ちゃんに語り掛けるのもはじめはなんだか照れ臭かった。

アメリカでのマタニティーライフってどんな感じなんだろ。

ちゃんと英語も勉強しないとね。

異国の地に想いを馳せていたそのとき。コンコンと丁寧に玄関のドアをノックする音がした。私はなんとなくそのノックの仕方に違和感を覚えたけれど、聖一さんが帰ってきたかもという思いの方が勝り、軽い足取りでドアを開けた。が。

「突然失礼いたします。聖一さんはご不在ですか?」

てっきり笑顔の聖一さんがいるものだと思っていたから、目の前に立っていた人物に私は息を呑んで目を瞠る。

「あ、の……」

ドアの向こうにいたのは、私をここへ連れてきた相良家の使用人の男たち三人だった。

「昨日、聖一さんと接触しましたね? 旦那様との約束をお忘れですか?」

忠誠を誓った主を裏切ったと言わんばかりに無表情な顔をわずかに歪ませている。呆れを滲ませた冷めた目で見つめられ、身体が硬直する。