怜悧な外科医の愛は、激甘につき。~でも私、あなたにフラれましたよね?~

「真希? どうしたさっきからぼーっとして、食欲もないみたいだったし……やっぱり気疲れしたよな」

実家からの帰り、彼が夕食にショッピングモールへ寄ろうと誘ってくれたのに、とてもそんな気分にもなれなくて、結局どこにもよらずに帰ってきて来た。

「大丈夫です」

そうは言いつつも、マンションに帰ってきてからずっとソファから腰があがらない。そんな私を聖一さんが心配そうに見つめている。

「すみません、少し休んでいいですか?」

「ああ、それは構わないが……」

聖一さんが私の顔を覗き込み、眉を潜める。

「さっき親父となに話してたんだ? また妙なこと言われて落ち込んでるんじゃないか?」

目を反らす隙もなく彼の視線に囚われ言葉に詰まる。

「なんでもありません、は無しだぞ」

今、まさにそう言おうと口を開きかけたけれど、先に逃げ道を塞がれてしまう。

「三年の間でお互いの気持ちが変わってしまったらって、お父様が心配されていて……」

「え?」