怜悧な外科医の愛は、激甘につき。~でも私、あなたにフラれましたよね?~

私だってアメリカで頑張る彼の邪魔になるようなことはしたくない。自分の存在がそうなるのであれば、お父様に言われた通りにするしかない。

「聖一さんには絶対に会いません」

「三年の間でお互いの気持ちが変わってしまったら?」

どうしてそんな意地悪なことを言うの? ううん、私の真意を確かめようとしているのかもしれない。

そう言い聞かせて波立つ感情をグッと堪える。

「私、十年も聖一さんのこと忘れられなかったんです。彼が心変わりする可能性はゼロじゃないですが……私の気持ちはきっと変わりません」

「そうか、そこまで言うのなら――」

お父様が胸の前でグッと腕を組み、その口を開いた――。