「聖一さん、私たちにはまだ一緒になれる方法が残されているんです。だとしたら、それに従いましょう」
結婚の道が完全に閉ざされたわけではない。ゴールまでの道のりは厳しいかもしれないけれど、いつか一緒になれるのならきっと耐えられる。
納得がいかない、と眉を潜める彼に私はあえてニコリと笑って見せる。すると聖一さんも大きく肩を落として「お前らしいな」と小さく笑みを返してくれた。
「ふむ、なかなか従順で賢いお嬢さんじゃないか」
お父様は満足げに頷いて、お茶をズッと啜った。
「聖一、お前は先に帰りなさい。私はこのお嬢さんとふたりで話がある」
え? ふたりで話って?
結婚を認めてもらうための条件は納得した。これ以上まだなにかあるのだろうかと、緊張が走る。
「彼女と話ってなんだ? 俺がいたら話せないようなことなのか?」
「聖一」
咎めるような口調でお父様が聖一さんに鋭い視線を向けると、彼はグッと言葉を飲み込んで押し黙った。
結婚の道が完全に閉ざされたわけではない。ゴールまでの道のりは厳しいかもしれないけれど、いつか一緒になれるのならきっと耐えられる。
納得がいかない、と眉を潜める彼に私はあえてニコリと笑って見せる。すると聖一さんも大きく肩を落として「お前らしいな」と小さく笑みを返してくれた。
「ふむ、なかなか従順で賢いお嬢さんじゃないか」
お父様は満足げに頷いて、お茶をズッと啜った。
「聖一、お前は先に帰りなさい。私はこのお嬢さんとふたりで話がある」
え? ふたりで話って?
結婚を認めてもらうための条件は納得した。これ以上まだなにかあるのだろうかと、緊張が走る。
「彼女と話ってなんだ? 俺がいたら話せないようなことなのか?」
「聖一」
咎めるような口調でお父様が聖一さんに鋭い視線を向けると、彼はグッと言葉を飲み込んで押し黙った。



