よすぎてたまらない。おかしくなりそうだ。そんな心の声を聴かれてしまったのかと恥ずかしさで思わずベッドに爪を立ててシーツを握りしめた。

「あ、馬鹿、そんなに力入れるなって」

切なげに眉を寄せた聖一さんにドキリとして、彼の身体にしがみつく。

「聖一さんが、私を……こんなふうにするから、でももっと欲しいです」

息も絶え絶えに言うと、彼が私の背中とベッドの隙間に両腕をくぐらせる。

「可愛いな……全身で俺を求めてるお前、ほんとたまらない」

快感に戦慄く唇を唇で塞がれる。そして聖一さんはそのまま互いの胸を合わせるように抱きしめ、大きく息を吐きながら私の肩口に顔を埋めた。

「なぁ、真希」

ゆっくりと顔をあげ、聖一さんがキュッと口元を結び真摯な表情で私を見下ろす。

「俺、アメリカに行くよ。真希と一緒に」

見つめるその瞳に力強さを感じ、私は続く言葉を待った。

「正直さっきまで迷っていたがもう決めた。ありがとう、背中を押してくれて」

「いえ、そんな私はなにも――」

首を横に振り、彼は少しバツが悪そうに笑みを浮かべ、私の指先を包み込むようにやんわり握った。

「まさか俺が真希に諭されるなんてな。自分の気持ちにちゃんと向き合って、何がしたいのか、これからどうしたいのか……本当の道が開けた気がするんだ」

聖一さんは将来への夢と希望に満ち溢れ輝いて見えた。チャンスを掴んで夢を追う聖一さんは凛々しく、そしてなによりかっこいい。一度は諦めようとしていたけど、考えを改めてくれたことにホッとすると同時に一抹の寂しさが入り混じり、私の心は複雑だった。

「アメリカへ行く前に言っておきたいことがある」

何を言われるのかと身構える私に、聖一さんがそっとキスをして耳朶に唇を寄せた。

「結婚しよう」

聖一さんの声が一段と甘さを増し、その言葉の意味を理解すると今度は身体の芯からゾクゾクとしたものが込み上げてきた。