「――それで、先週から相良先生と一緒に住んでる、と?」
「うん、そうなの。やっと色々荷物が片付いたところで……真美子?」
相良さんと付き合うことになった経緯を話し終えると、なにやら真美子はプルプルしながら両拳を握りしめ俯いている。
「羨ましいっ!」
「うわっ」
心配になって顔を覗き込もうとしたら、いきなり頭をガバッとあげて真美子はフンフンと鼻息を荒げた。
「ほんっと、羨ましいんだから! 知ってると思うけど、相良先生は脳外科の貴公子みたいな存在なのよ?」
の、脳外科の貴公子……。
大病院の跡取り息子。腕がいい。優しい。頭脳明晰。イケメン。等々、相良さんの人気ぶりは言われなくても毎日耳に入ってくる。
前に頭を打って入院したとき、相良さんに費用出してもらった件で受付の人にすごい怪しまれちゃったもんね……。
「でもさぁ、相良先生を彼氏に持ったら気をつけたほうがいいよ?」
真美子が急に改まって真顔になる。
「え? どういう意味?」
「あんないい男、ほかの女が黙って見ているわけないじゃない。真希が恋人だってバレたら……」
「うぅ、まるで針の筵だね」
相良さんにはライバルがたくさんいる。彼が廊下を歩くだけで女性職員の目がハートマークに輝き、相良さんに血圧を測られると高血圧になってしょうがない、と女性患者が頬を赤らめる。そんな彼と恋人同士だなんて知れたら、想像するだけでも恐ろしい。
「うん、そうなの。やっと色々荷物が片付いたところで……真美子?」
相良さんと付き合うことになった経緯を話し終えると、なにやら真美子はプルプルしながら両拳を握りしめ俯いている。
「羨ましいっ!」
「うわっ」
心配になって顔を覗き込もうとしたら、いきなり頭をガバッとあげて真美子はフンフンと鼻息を荒げた。
「ほんっと、羨ましいんだから! 知ってると思うけど、相良先生は脳外科の貴公子みたいな存在なのよ?」
の、脳外科の貴公子……。
大病院の跡取り息子。腕がいい。優しい。頭脳明晰。イケメン。等々、相良さんの人気ぶりは言われなくても毎日耳に入ってくる。
前に頭を打って入院したとき、相良さんに費用出してもらった件で受付の人にすごい怪しまれちゃったもんね……。
「でもさぁ、相良先生を彼氏に持ったら気をつけたほうがいいよ?」
真美子が急に改まって真顔になる。
「え? どういう意味?」
「あんないい男、ほかの女が黙って見ているわけないじゃない。真希が恋人だってバレたら……」
「うぅ、まるで針の筵だね」
相良さんにはライバルがたくさんいる。彼が廊下を歩くだけで女性職員の目がハートマークに輝き、相良さんに血圧を測られると高血圧になってしょうがない、と女性患者が頬を赤らめる。そんな彼と恋人同士だなんて知れたら、想像するだけでも恐ろしい。



