「本当は、お前から話があるって言われたとき、ちょっとビビってた。やっぱり付き合えないって言われるんじゃないかって。一回お前を振ったくせにいまさら俺から告白したりして、都合がいいにも程があるもんな」
弱り顔で小さく笑う相良さんに、私は首を振る。
「あのときは振られましたけど、本当は相良さんもずっと私と同じ気持ちだったって、わかっただけでも嬉しいです。だからそんなふうに言わないでください」
十年前はまだ恋人として付き合うタイミングじゃなかった。年月を得て、巡り巡ってそのときがきて、私たちはようやく結ばれたのだ。
それってものすごくロマンチックなことじゃない?
「真希」
そっと私の頭に相良さんの手が伸びて引き寄せられる。
「お前のこと、大事にするから」
「はい」
ゆっくり顔をあげると、自然と目が合う。キスの予感に目を閉じると。唇が温かなもので覆われる。情熱的な激しい口づけではないけれど、優しくて心地よくて、そしてなにより彼の愛情が感じられる。
「今度、お前の親父さんの病院に一緒に行かないか? 真希のこと大切にしますって挨拶しなきゃな」
キスが解かれ、やんわりとひと撫でする相良さんに、私は満面の笑みでコクンと頷いた――。
弱り顔で小さく笑う相良さんに、私は首を振る。
「あのときは振られましたけど、本当は相良さんもずっと私と同じ気持ちだったって、わかっただけでも嬉しいです。だからそんなふうに言わないでください」
十年前はまだ恋人として付き合うタイミングじゃなかった。年月を得て、巡り巡ってそのときがきて、私たちはようやく結ばれたのだ。
それってものすごくロマンチックなことじゃない?
「真希」
そっと私の頭に相良さんの手が伸びて引き寄せられる。
「お前のこと、大事にするから」
「はい」
ゆっくり顔をあげると、自然と目が合う。キスの予感に目を閉じると。唇が温かなもので覆われる。情熱的な激しい口づけではないけれど、優しくて心地よくて、そしてなにより彼の愛情が感じられる。
「今度、お前の親父さんの病院に一緒に行かないか? 真希のこと大切にしますって挨拶しなきゃな」
キスが解かれ、やんわりとひと撫でする相良さんに、私は満面の笑みでコクンと頷いた――。



