「ああ、しばらくここの病室で患者の様子を見てる。時間? 気にするな、なんかあったら連絡入れてくれ。じゃ」
おぼろげな意識の中ではっきりと聞こえたのは、若い男性の声だった。うっすら目を開けると見知らぬ真っ白な天井が浮かびあがる。そして視界の端に透明な液体の入った点滴バッグがゆらりと見えた。
私、点滴されてるの? じゃあ、ここは……病院? なんで?
ゆっくり視線を動かしていくと、今まで誰かと電話をしていた様子の男性がこちらに背中を向けて立っていた。窓の外にはすでに帳が降りた夜空が広がっている。
あ、あの……。
確かにそう声に出したつもりだったのにうまく喉から音がでない。身体も起こすこともできなかった。その代わり、身じろぎした衣擦れのわずかな気配にその男性が振り向いた。
「気がついたか?」
目があったその瞬間、頭の中が真っ白になった。
おぼろげな意識の中ではっきりと聞こえたのは、若い男性の声だった。うっすら目を開けると見知らぬ真っ白な天井が浮かびあがる。そして視界の端に透明な液体の入った点滴バッグがゆらりと見えた。
私、点滴されてるの? じゃあ、ここは……病院? なんで?
ゆっくり視線を動かしていくと、今まで誰かと電話をしていた様子の男性がこちらに背中を向けて立っていた。窓の外にはすでに帳が降りた夜空が広がっている。
あ、あの……。
確かにそう声に出したつもりだったのにうまく喉から音がでない。身体も起こすこともできなかった。その代わり、身じろぎした衣擦れのわずかな気配にその男性が振り向いた。
「気がついたか?」
目があったその瞬間、頭の中が真っ白になった。



