〜*凛花side*〜


今日は大学時代からの親友、咲(サキ)と仕事終わりに飲みにきている。


咲は同じ芸能プロダクションのトレーニングジムの管理栄養士だ。



私たちは勤務地が特別なだけにあまり公にできないこともあって、私が異動してきてから初めて同じ職場だと知った。


ジムの管理栄養士としか聞いてなかったから社内で顔合わせた時は本当に驚いた。新卒で配属された先がたまたまZGだったらしい。



「で?何、相談って?」



今日は何となく話を聞いてほしくて私から呼び出していた。



「あのね〜まだわからないんだけどねぇ、んーとね...」



「はっきり言いなさいよ。」



「気になる人ができたかもでね...」


「うそ!!どんな人??何してる人??てか凛花からそんな話聞くの初めてじゃない??」



「そうなるよね笑でもね、まだわからないんだよ。
何か気になるな〜っていうくらいでね...会社の食堂で助けてくれた人で、たぶんスタッフの人みたい。」



「え、まさかの社内!!笑あたしも見れるチャンスじゃん!ちょっと今度教えてよね〜で、連絡は?」



「連絡先知らない...」



「ちょっとちょっと連絡先知らないと何も始まらないでしょーが。次会った時、絶対聞きなよ!」



「無理だよ〜なんて言えば良いの?」



「あんたねぇ学生じゃないんだから、そのくらいさらっと聞きなさいよ。連絡先教えてもらえませんか?で良いのよ。」


「絶対無理...断られたらと思うとそんな簡単に行けないよぉ。」


「だっていつまでも食堂でちょっと話すくらいしかできないなら全然進まないでしょー?」


「う...今度頑張ってみる...」


「よし!!進展あったらすぐ教えてよ!」


「あとさ、最近全然トレーニング来てないじゃない?仕事忙しいの?せっかくマシーン利用無料なんだから来れば良いのに」


社内の人間は社内にある施設を無料で利用できるという特権がある。


入社したての頃は仕事でうまくいかないことがあると、咲のいるトレーニングジムで一緒に筋トレしながら良く話を聞いてもらってた。


「最近、遅番も多くて疲れて帰ろうってなるんだよね。ダンスも行ってないし...そのうちジムにもまた顔出すよ!」


「凛花の恋の行方も聞かないとだから、また話に来てよ〜!」


次の日休みなのを良いことに、その後もひたすら話して飲み続けた。