そしてそう考えてしまうってことは、私が健吾くんのことを男の子として好きだって思ってないわけで。

　もちろんそんな状態では健吾くんとお付き合いなんてできないって結論になったわけ。

　だけど健吾くんは、なかなか納得してくれなかった。

　何度もLINEで連絡してきて、困って返事をできずにいたら、帰り道をつけてきたり家の前に現れたりなんかもして。

　正直、健吾くんのことを私は怖くなってしまった。

　健吾くんのことで悩んでいたら、美緒が「私もついていくから、もう一度はっきり言いに行こう」って背中を押してくれて。

　美緒が見守る中、

「今、私は誰かと付き合う気が無いんだ。恋愛に興味が無くて。だから健吾くんが何をしてきても、私はその気持ちに応えることができない。あんまりしつこくされたら、嫌いになってしまう」

　って、勇気を出して健吾くんに言ったんだ。

　すると健吾くんは、

「じゃ、恋愛に興味が持てるようになったら俺と付き合ってね」

　って言って、やっと諦めてくれた。

　健吾くんのその一言は意味深でちょっと気になったけれど、付きまといがなくなって私はほっとした。