好きにさせるから、覚悟しろよ ~再会した幼なじみがめちゃめちゃ迫ってきます〜

 思ってもみない名前が美緒の口から出てきて、私は虚を衝かれる。

 去年同じクラスだった、久喜健吾くん。

 今年はクラスが離れちゃったから、今はほとんど関わっていない。

 美緒から名前を聞いて、久しぶりに顔を思い浮かべたくらいだ。

 健吾くんは爽やかイケメンで明るく、去年のクラスではとても人気がある人だった。

 同じクラスの友達として、私もそれなりに仲良くしていた。

 するとある日突然、私のことを好きだから付き合ってほしいって健吾くんが私に告白してきたんだ。

 人気者の健吾くんが、なんで私なんかに告白してきたのかは全然分からなかった。

 私を好きになってくれたのは嬉しかったけど……。

 でも、その時の私は今と同じで恋愛に興味が無くて、誰かと付き合うなんて考えられなかったから、健吾くんの告白を断ってしまった。

 その時、もうすぐりっちゃんと再会できるかもって思っていたことも大きい。

 もし、誰かと付き合ったとしたらりっちゃんと会えてもあまり一緒に居られないかも……って思えたんだよね。