好きにさせるから、覚悟しろよ ~再会した幼なじみがめちゃめちゃ迫ってきます〜

 そんな岩倉さんを見て私は、なんだかいたたまれない気持ちになってしまった。

 確かに彼女には嫌なことをいろいろされたし(まだ一応、岩倉さんがやったっていう証拠はないけれど)、私を泥棒に仕立て上げようとするなんて、さすがにちょっとひどいんじゃないかって思う。

 正直怒りを覚えているし、今後もあまり岩倉さんには近寄りたくない。

 でもクラス中から泥棒だと知られ、今後岩倉さんはどう過ごしていくんだろう……と考えると、ちょっとかわいそうに感じてしまったんだ。

 でも、ひどい目に遭わされた私がこれ以上何かを言うのもなんだか違う気がするし……。

 と、私がまごまごしていると。

 りっちゃんが深くため息をついたかと思えば、こう言った。

「まあ、お金は無事にあったんだしさ。もうこれ以上はよくない? ね、田中」

「えっ……。あ、うん。そうだな」

 りっちゃんに同意を求められた田中くんは、勢いで頷いたようだった。

 するとりっちゃんは、教室中を見渡してから、また口を開いた。