自分への疑いが晴れた私は、それ以上事を荒立てるつもりはなくって、おろおろしてしまう。
――すると。
「……あ。ってか岩倉さん、音楽の授業の始めにトイレだって言って音楽室から出て行ったよね?」
バレー部でしっかり者の山名さんが、不審げにひそめながらそう言った。
一気に岩倉さんに、クラス中のみんなの視線が浴びせられる。
「なっ……! わ、私じゃないし!」
必死に弁明しようとする岩倉さん。
――しかし。
「あー……。岩倉かあ」
「正直、美香ちゃんの方が柚葉ちゃんよりはやりそうだよね……」
「綾瀬さんに嫌がらせをしてたのが美香ちゃんってこと?」
今度は岩倉さんがクラス中から疑いの眼差しを向けられてしまう。
「ち、ちがっ……!」
またも否定しようとした岩倉さんだったけれど、声が詰まってうまく言葉が出てこないみたいだった。
いつも強気そうな表情をしているというのに、珍しく泣きそうな顔になっている。
クラスメイトみんなから不審感を抱かれているのだから、泣きたくもなるだろう。
私だってさっき、そうだったし……。
――すると。
「……あ。ってか岩倉さん、音楽の授業の始めにトイレだって言って音楽室から出て行ったよね?」
バレー部でしっかり者の山名さんが、不審げにひそめながらそう言った。
一気に岩倉さんに、クラス中のみんなの視線が浴びせられる。
「なっ……! わ、私じゃないし!」
必死に弁明しようとする岩倉さん。
――しかし。
「あー……。岩倉かあ」
「正直、美香ちゃんの方が柚葉ちゃんよりはやりそうだよね……」
「綾瀬さんに嫌がらせをしてたのが美香ちゃんってこと?」
今度は岩倉さんがクラス中から疑いの眼差しを向けられてしまう。
「ち、ちがっ……!」
またも否定しようとした岩倉さんだったけれど、声が詰まってうまく言葉が出てこないみたいだった。
いつも強気そうな表情をしているというのに、珍しく泣きそうな顔になっている。
クラスメイトみんなから不審感を抱かれているのだから、泣きたくもなるだろう。
私だってさっき、そうだったし……。



