好きにさせるから、覚悟しろよ ~再会した幼なじみがめちゃめちゃ迫ってきます〜

「ってか、嫌がらせって何? 泥棒にまでさせられそうになって、柚葉ちゃんめっちゃかわいそうじゃない?」

 少し前までは疑惑の声を浴びせられていたのに、それが擁護する言葉に代わっていく。

 安堵のあまり、さっきとは別の種類の涙が出てきそうになる。

「あ、ありがとう。りっちゃん、美緒……」

 私は泣くのを堪えながらも、傍らにいたふたりに心からのお礼を言った。

 するとふたりとも満足そうに頷く。

「まあ、でも俺は真実を言っただけだから」

「私も大したことしてないよ。ってか、普段の柚葉の行いがいいから、みんな信じてくれたんだよ!」

 そんな風に謙遜するふたり。

 りっちゃんと美緒らしいなあと思いつつ、心優しいふたりの友人がいることに、心底嬉しくなった。

 そんな風に、ほっこりとした気持ちになっていた時。

「じゃ、じゃあ綾瀬さんの机の中にお金を入れたのって誰……?」

 田中くんが恐る恐るみんなに尋ねる。

 そ、そうだった。

 みんなはそれが気になるよね。

 まあたぶん、岩倉さんなんだろうけど……。