好きにさせるから、覚悟しろよ ~再会した幼なじみがめちゃめちゃ迫ってきます〜

「お、俺が集めたお金を入れてた封筒だ……」

 それを見て、田中くんが恐る恐る呟いた。

「えっ、じゃあマジで綾瀬さんが盗んだの?」とか、「まさか柚葉ちゃんが……?」なんていう、クラスメイト達のざわめきが耳に入ってくる。

 疑惑の目が一斉に向けられて、恐ろしくなってしまう私。

 ――どうしよう。

 この状況じゃ、私が何を言っても信じてもらえなそうだよ。

 と、私が泣きそうになっていた時だった。

「いや、ゆずが盗んだんじゃないから。誰かがゆずの机の中にその封筒を入れたんだって」

 場の物々しい空気を打ち破ったのは、またもやりっちゃんの声だった。

 ざわついていたクラスのみんなも、岩倉さんも、りっちゃんに注目する。

 私も涙で潤んだ瞳でりっちゃんを見つめた。

 りっちゃんはいつものクールな面持ちで、私の前に立っていた。

「律、どういうこと?」

 田中くんが尋ねると、りっちゃんはこう答えた。