他のクラスメイト達も、パタパタと足を立てながら着席をした。

「みんなおはよう。早速だけど、今日からうちのクラスに新しいメンバーが増えます」

 担任の先生がそう告げると、男の子だから興味がないと思っていた私も「どんな男の子なんだろ」って、少しだけわくわくしてきた。

 私がいる窓側の一番後ろの席からは、隣の席の人同士で小声で話したり、転入生が控えているらしい廊下の方にちらちらと視線を送ったりと、他のクラスメイト達も浮ついた様子になっているのが見えた。

「はい、じゃあ入って来なさい」

 先生が廊下の方へ顔を向けてそう声をかけると、転入生はゆっくりと教室に入ってきた。

 うわ……と、私は思わず声が漏れてしまいそうになった。

 その転入生が、身近では見たこともない位にかっこいい男の子だったから。

 高めの身長に、すらりと伸びた長い手足。

 大きく切れ長の瞳に、すっと通った鼻筋、薄い唇。

 まるでドラマや映画で目にするような芸能人のように、美しい男の子だった。

 また、真っ黒のサラサラの髪は、前髪と襟足が長めで、中性的な面立ちの彼にはよく似合っている。