好きにさせるから、覚悟しろよ ~再会した幼なじみがめちゃめちゃ迫ってきます〜

 すると岩倉さんが私の物をどうこうする隙がなくなったのか、嫌がらせはほとんど起こらなくなった。

 ――あー、よかった。

 これでほとぼりが冷めればいいなって、安心していた私だったけれど。

 ある日、朝起きたら頭痛がした。

 大したことはなかったけれど、少し寝れば治る気がしたから私は一、二時間目だけ休むことにした。

 りっちゃんにそのことをLINEで連絡したら、「えっ、大丈夫?」と心配してくれた。

 だけど「たぶん寝れば治るよ。三時間目から行くからね!」と返事をすると「そっか、無理しないで」と、優しい言葉が返ってきた。

 りっちゃんの思いやりを感じていい気分になりながら二度寝したら、すっかり頭痛は治って、私は予定通り三時間目に向けて学校へと行った。

 校舎内に到着すると、ちょうど二時間目の終わり間際だった。

 下駄箱で上履きに履き替えて廊下を歩いていると。

「あれ? りっちゃん」

 りっちゃんがひとりで廊下を歩いていた。

 まだ二時間目の授業が終わっていなかったので、不思議に思う私。