でも私は全然恋愛ごとに関心が無かった。

 だって男の子ことを好きになったことも無いし、ドキドキしたことも無かった。

 そう言えば誰かにドキドキした覚えなんて、りっちゃんに対してしか無い気がする。

 ――って、りっちゃんは女の子なのに。

 かといって私の恋愛対象が別に女の子というわけではないみたいで、二次元や芸能人の男の子には、かっこいいなあと思うことはあった。

 どうやら私にとってりっちゃんだけは特別みたい。

 だって本当にかっこいい女の子だったもんね。

「もう、本当に柚葉はお子様なんだから~。あんた結構かわいいんだから、少しは男子に興味持ったらいいのに! もったいないなあ」

「はあ……」

 たぶん褒めてくれている美緒だったけれど、私はなんて返したらいいか分からなくて言葉を濁す。

 恋愛脳の美緒は、こうしてよく私に恋をするように促してくる。

 私も、クラス内のカップルが仲良くしている様子を見るたびに「いいなあ」とは思う。

 だけど無理に人を好きになんて、なれないよ。

 やっぱり初めて付き合うなら、自分が心から大好きな人がいいなって思うもん。