放課後になり、昨日と同じようにりっちゃんと一緒に帰ろうと私が席で身支度をしていたら。

「ごめんゆず。ちょっと今日、先生に呼ばれてるんだ」

 りっちゃんが申し訳なさそうに私に話しかけてきた。

「えっ、先生に?」

「うん。転入の手続きがなんか残っていたらしくってさ。今から職員室に行かなくちゃいけなくて」

「そうなんだ。じゃあ私、終わるのを待ってるよ」

「マジ? いつ終わるか分からないから、先帰っててもいいけど」

 りっちゃんの提案に、私は首を横に振る。

 再会したばかりなこともあって、私だってなるべくりっちゃんと一緒の時間を過ごしたかったんだ。

 べ、別に恋ってわけじゃないけど……たぶん。

「りっちゃんと一緒に帰りたいから、私待ってる」

 素直に私がそう告げると、りっちゃんは目をぱちくりさせた。

 そして私から目を逸らして、ぶっきらぼうな口調でこう言った。

「……そういう風なこといきなり言ってくるの、ずるいわ。ゆずって昔からそうだよね」

 どこか照れたようなりっちゃんの様子だった。

 え、私何か変なこと言っちゃったかな⁉