秋の匂いが深まってきた、十月のある日のこと。
ほんのり色づいた街路樹を眺めながら登校した私が教室に入るなり、親友の美緒が駆け寄ってきた。
「柚葉! 今日うちのクラスに転入生が来るらしいよっ」
「えっ、ほんと⁉」
りっちゃんがいなくなってからというもの、転入生の存在を知る度に、「りっちゃんじゃないかな⁉」と私は胸を躍らせてしまう。
まあ今まではずっと当てが外れてがっかりさせられていたんだけどね……。
でもりっちゃんがいなくなって六年経ったし、今度こそ本当にそうかも!
なんて期待に胸を膨らませた私だったけれど。
「ほんとほんと! しかも男子らしいよっ。あー、イケメンだといいなあ~」
美緒は声を弾ませて言うけれど。
男子かあ……なんだあ。
りっちゃんの可能性がゼロになって、私はがっくりと肩を落とす。
すると美緒が呆れたような顔をした。
「ちょっと柚葉、何がっかりしてんの? イケメンがクラスに来たら嬉しいじゃん!」
「うーん……。あんまり興味ないなあ」
私は正直に答える。
高校二年生と言えば、周りの子たちはみんな恋愛に興味津々だ。
ほんのり色づいた街路樹を眺めながら登校した私が教室に入るなり、親友の美緒が駆け寄ってきた。
「柚葉! 今日うちのクラスに転入生が来るらしいよっ」
「えっ、ほんと⁉」
りっちゃんがいなくなってからというもの、転入生の存在を知る度に、「りっちゃんじゃないかな⁉」と私は胸を躍らせてしまう。
まあ今まではずっと当てが外れてがっかりさせられていたんだけどね……。
でもりっちゃんがいなくなって六年経ったし、今度こそ本当にそうかも!
なんて期待に胸を膨らませた私だったけれど。
「ほんとほんと! しかも男子らしいよっ。あー、イケメンだといいなあ~」
美緒は声を弾ませて言うけれど。
男子かあ……なんだあ。
りっちゃんの可能性がゼロになって、私はがっくりと肩を落とす。
すると美緒が呆れたような顔をした。
「ちょっと柚葉、何がっかりしてんの? イケメンがクラスに来たら嬉しいじゃん!」
「うーん……。あんまり興味ないなあ」
私は正直に答える。
高校二年生と言えば、周りの子たちはみんな恋愛に興味津々だ。