だけど恋愛偏差値の低い私にとって、それはなんだか上級者のやり方のような気がした。

 ずっと私を好きでいてくれたりっちゃんに対しても、中途半端な気持ちで受け入れるのも申し訳ないように思える。

「アドバイスありがとう、美緒。……だけど私、もうちょっと考えてみることにするよ」

 宙ぶらりんな私の想いをなんとか解消してあげようと考えてくれた美緒に対しては、素直に感謝を伝えつつも。

 私は控えめに笑って、そう答えた。

 すると美緒も微笑みを返す。

「そっかー。まあ、決めるのは柚葉だしね。でもまた悩んだらなんでも相談してよね~」

 自分の意見はしっかり伝えつつも、無理に勧めようとはしない――そんな美緒といるのが、私は好きだった。

 そういうさりげない気づかいができるところが、どこかりっちゃん似ていると思う。

 きっと私、思いやりのある人が好きなんだろうなあ。

「うん、ありがとう!」

 美緒と親友になれたことを嬉しく思いつつも、弾んだ声で私は言った。