お母さんがいきなりそんな質問をぶっこんできたので、焦っていた私の顔もとうとう真っ赤になってしまった。

「ち、違うよ!」

 なんだか恥ずかしくて、必死になって否定する。

 りっちゃんはそんな私の様子を見て「ふっ」と小さく鼻で笑うと、

「いずれそうなると思いますけど」

 って、あのクールな声で、はっきりと言ってのけたんだ。

「ど、どういうこと!? 君、柚葉のこと好きなのっ?」

 お母さんが目を見開いて、興奮した様子でりっちゃんに詰め寄る。

「あーもうお母さんはいいからっ。い、行ってきます!」

 お母さんの介入を阻止したくて、私は慌ててりっちゃんの背中を押しながら家を出た。

 お母さんはそんな私に「何よー! 気になるじゃない!」なんて声を浴びせてきたけれど、聞こえないふりをして玄関のドアを強引に閉める。

 一方のりっちゃんは、そんな私とお母さんの様子が面白かったのか、口元だけを綻ばせていた。

「ま、まさかりっちゃんが迎えに来てくれるなんて思ってなかったから、びっくりしたよ~」

 学校へ向かって歩きながら、私がそう言うと。

「ごめん、迷惑だった?」