りっちゃんと六年ぶりの念願の再会を果たしたけれど、実は彼が男の子だったという衝撃の事実が発覚した、次の日。

「ほら! そろそろ家を出ないと走って学校行く羽目になるわよ!」

「は、はーい……」

 お母さんに急かされて、眠い目をこすりながら玄関へと向かう私。

 昨日はりっちゃんのことを考えていてあまり眠れず、寝坊してしまってギリギリの時間になってしまっていた。

「ほら、お弁当忘れてる! ちゃんと持ってきなさい!」

「ご、ごめん。ありがとう」

 靴を履こうとしていたら、お母さんにお弁当を押し付けられる。

 それを慌てて通学バッグにしまっていると――。

 ピンポーンと呼び鈴が鳴った。

「こんな朝から誰かしら?」

 お母さんが首を傾げていた。

 私は自分には関係のない来客だろうと思い込み、気にせずに靴を履く。

 ちょうど玄関にいたお母さんは、インターホンの親機では応答せずに直接ドアを開けた。

 すると、ドアの向こうに現れた人物に、私の目は点になった。

「ゆず、おはよ。……ゆずのお母さんも、おはようございます」