どうやら図星だったようで、隆くんは顔を真っ赤にする。

 激高しているようだった。

 そしてなんと、怒りに任せてりっちゃんに飛び掛かってきたのだった。

「りっちゃん!」

 恐怖を覚えた私は、りっちゃんの名を叫んでしまう。

 だけどりっちゃんは、ひらりと隆くんの攻撃をかわすと、彼の背中に思いっきり蹴りを入れた。

 弾みで顔面から地面に倒れる隆くん。

 うわ、痛そう……と私が思っていると、隆くんはガバッっと勢いよく起き上がり、りっちゃんを睨みつけた。

「く、くそが! 今に見てろよっ」

 やっぱり痛かったようで涙目になりながらも、そんな捨て台詞を吐いて隆くんは去って行った。

「なんなんだあいつ。でかいくせに弱」

 そんな隆くんの背中に向かって、冷淡な言葉を浴びせるりっちゃん。

 いじめられていた私の前に颯爽と現れて、理路整然と物を言い、素早い動きで喧嘩まで勝ってしまうりっちゃん。

 ああ、本当になんてかっこいい女の子なのだろう。

 私は隆くんに罵られていたことも忘れ、りっちゃんの綺麗な横顔に惚れ惚れしてしまう。

「りっちゃん、ありがとう!」